新型コロナウイルス研究に関する国別の動向が分析されています。論文の注目度を表す被引用数で、中国が1位、米国が2位です。論文の量だけでなく質でも、米中が他国を圧倒しています。新型コロナ関連研究論文の国ごとの被引用数では、中国が5万5千回、米国が2万9千回です。論文数でみると米国が1位で5,800本、中国が2位で、米中以外ではイタリア、英国、インドが論文数の上位5カ国に入っています。感染爆発が起きたり、感染拡大が長期間続く国で多くなっています。
研究のトレンドとしては、初期に多かったウイルスの起源やメカニズムの解明、臨床の症例報告や分析から、治療薬やワクチンの開発、検査など臨床医学に軸足が移ってきています。被引用数が8月下旬時点で最も多かったのは、中国・武漢の病院の医師らが、1月下旬に英医学雑誌ランセットに発表した、患者41人の症状の経過などを分析した論文で、4,100回の引用がありました。新型コロナの流行が始まった1月から半年余りで、総論文数は2万本を超えています。
(2020年9月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)