昨年の4月から実施された母体血による新型出生前診検査の1年間の成績結果が発表された。それによれば、1年間で7,740人が検査を受け、その平均年齢は38.3歳と、35歳以上の高齢者が9割以上を占めていた。受診者の1.8%にあたる142人が陽性と判定され、このうち126人が羊水検査などの確定検査を受けた。その結果113人の異常が確認され、そのうち97%にあたる110人が人工妊娠中絶をしている。
新型の出生前診断で陽性と判定され、確定診断を受けないまま中絶した妊婦が2人いた他、1人は陽性との判定結果を知る前に中絶していた。また陰性と判定されたものの、出産後に染色体異常が確認された人が少なくとも1人いた。陽性と判定された142人のうち、確定診断を受けたものは126人であり、確定診断を受けずに中絶した3人を除いた13人が、どのような転機を辿ったのかが不明なままである。また確定検査が陽性であったクライエントは、ほとんどが中絶を選択していることが明らかとなった。
(吉村 やすのり)