昨年4月から始まった母体血を利用して染色体異常の有無を検査する新型出生前遺伝学的検査が始まって1年が経過した。ダウン症協会はこの出生前検査をマススクリーニングとして安易に行うことに反対しているが、個人の検査を受けたいという選択の自由は否定するものではないとの立場をとっている。
この診断が始まって以来、ダウン症の人々のありのままの姿や正直な思いを知って欲しいとの活動や報道が増えてきていることは素晴らしい。ダウン症があったからこそできた経験や多くの出会いがあることを社会が知ることは大切であり、すべての人が生きやすい社会を作る方が先であるとの考えが浸透されることを期待したい。
(2014年4月4日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)