産科医療補償制度は、出産に関連して発症した重度の脳性まひの子どもを補償する制度です。この制度では、脳性まひ発症の原因分析も行っています。昨年末までに分析を終えた793件の中、出産直後に母親が抱っこする早期母子接触中に赤ちゃんが急変し、結果的に脳性まひになった事例が7件あったことが分かりました。制度を運営する日本医療機能評価機構が報告書を公表しました。
評価機構によると、生後25分の赤ちゃんに帽子をかぶせブランケットを掛けた状態で母親が抱っこしていましたが、30分後に赤ちゃんの心肺停止が確認され、低酸素性虚血脳症を発症して脳性まひになった事例などが見られたとしています。カンガルーケアなどと言った早期母子接触は、母子の心身安定につながるといった利点も指摘されていますが、医療関係者が継続的に観察し、赤ちゃんに心電図モニターを装着するなど慎重な対応が必要です。
(2016年4月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)
新生児の脳性まひ
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