経済協力開発機構(OECD)の公表によれば、日本の保育士や幼稚園教諭らは、社会から評価されていると感じる割合がほかの国より低いとされています。社会からの評価の低さは、今もほかの職種に比べ10万円近く低い賃金など待遇の影響が考えられます。保育する子どもや保護者からの評価を感じている割合も低いのは、やりがいの低さが示されたものとも思います。現場では若手の退職・転職比率が高く、人や財源の乏しさが働きづらさに影響しています。認可外施設は、さらに労働環境が厳しい場合もあります。
幼保無償化で保護者の負担を減らすことは大切ですが、子ども・子育て支援新制度の議論で、保育士の配置を手厚くするなど質の向上のために、あと3千億円を投じるはずが実現していません。保育士たちが働き続けたいと思えるよう、専門性が評価され、キャリアアップできる仕組みが必要です。
(2019年11月22日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)