パーソル総合研究所と中央大学は、2035年に国内の労働市場で384万人相当の労働力不足が発生するとの研究結果を公表しています。2023年時点の約2倍に当たります。現状でも労働力不足は深刻で、労働生産性の向上やシニアの就業拡大など、課題解決に向けた早急な取り組みが求められます。
2035年時点の就業者数は、女性やシニア層、外国人労働者の就業が進むことにより、2023年比で375万人増の7,122万人になる見通しです。一方、就業者1人当たりの労働時間は、2023年の1,850時間から2035年は1,687時間に減少すると思われます。働き方改革の広がりに加え、ショートワーカーが増えることが要因です。
2035年の労働力不足を産業別に見ると、サービス業が115万人で最も多く、卸売・小売業の77万人、医療・福祉の49万人、建設の44万人、製造の35万人と続いています。労働力不足率を都道府県別に見ると、秋田が19.1%で最も高く、山形は16.4%、長崎は16.2%、青森は16.0%、岩手は15.6%となり、特に東北地方での労働力不足が顕著になる見通しです。
シニアやパートタイム、副業希望者など、多様な書店が活躍できる機会の創出が必要になってきます。生成AIなど、新たなテクノロジーを活用した生産性の向上にも取り組む必要があります。
(2024年10月29日 読売新聞)
(吉村 やすのり)