日本の富裕層資産

仏コンサルティング会社キャップジェミニの調査によれば、日本の富裕層の資産のうち現預金は34%で、全世界の平均24%より高くなっています。野村総合研究所の2019年の推計によれば、日本では130万世帯超が1億円以上の金融資産を持っています。個人金融資産約2,000兆円の過半を現預金が占める国民全体に比べれば、代替投資などに積極的ですが、利回り型商品に資金を振り向ける余力は大きいものがあります。
日本の証券会社が、富裕層にプロ投資家向けの商品を提供しようとしています。物価上昇と低金利継続で現預金の価値が目減りするなかで、富裕層マネーの受け皿となる商品を探る動きが活発になってきています。富裕層向けの営業を強化して預かり資産残高を増やしたい証券会社の狙いと、日本に眠る現預金に魅力を感じた海外勢の思惑が重なっています。

(2022年11月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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