外国から日本に来る子どもは、10年ほど前から急増しています。文部科学省の調査によれば、公立の小中高校などに通う日本語指導が必要な子どもは、2023年度に過去最多の計6万9,123人に達しています。
日本で働く外国人が増えているからです。バブル経済の頃、製造業を中心に人手不足が深刻化しました。国が1990年に日系移民とその子孫に定住資格を与えたことで、日系ブラジル人が急増しました。近年は、日本の人口減少による働き手の不足を補おうと、建設業や農業などで積極的に外国人労働者を受け入れています。
文部科学省の2008年度の調査によれば、外国籍の子どもの母語は、ポルトガル語とスペイン語が合わせて半数を超え、南米からの移住者が目立っています。2023年度の調査では、ポルトガル語が20.8%、中国語が20.6%、フィリピノ語が15.4%、ベトナム語が6.5%、スペイン語が6.4%の順に多く、中国や東南アジアからの移住者が増えています。
3大都市圏が多く、愛知県が1万3,984人、神奈川県が8,589人、東京都が6,312人、大阪府が5,040人の順に続きます。それ以外では、静岡県の4,804人や群馬県の1,738人など、製造業の盛んな地域で多い傾向があります。これらの地域では、学校で日本語教育に力を入れています。
自治体が日本語教室を設けたり、学校で日本語指導の体制を強化したりするための補助金も出しています。外国籍の子どもをめぐっては、就学していなかったり、就学状況が確認できなかったりする子が全国に8,000人以上いるという課題もあります。
(2024年11月7日 読売新聞)
(吉村 やすのり)