日本に住む外国人に日本語や日常生活のルールなどを教える日本語教室が広がっています。全国約1,900地域のうち、2023年度に教室が無い空白地域は、4年前より2割減少しています。最も減らした長崎県は、県内各地にモデル教室を設けるほか、複数の町による共同開催も始めています。在留外国人数が過去最高となるなか、地域住民との交流拡大にもつなげています。
日本語教室は、日常生活で使う日本語のほか、食事のマナーやゴミの分別、非常時の連絡方法といった生活ルールを教えます。住民とのコミュニケーションの場にもなります。自治体や国際交流協会、NPOなどが開設し、参加は無料や実費のみの場合が多く、留学生らに日本語を教える日本語学校や大学とは異なります。
自治体にとって日本語教室開設の壁になっているのが、ボランティアを中心とした日本語を教える人材の確保です。国は、運営ノウハウがある専門家の派遣や補助金などの支援策も用意しています。人口減が深刻な地方都市では、外国人にも積極的に地域に関わってもらう必要があり、日本語教室はそのきっかけにもなります。教室の定着には外国人に教えるだけでなく、多彩な文化が学べる場として住民も気軽に参加できるようにしなければなりません。
(2024年11月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)