星空観光の活用

 美しい星空を観光誘客に生かす自治体が増えている。光害の抑制や大気保全に取り組む協議会には、2割超の自治体が参加しています。星空は地域の有力な観光資源であり、訪日客などの大都市集中を緩和する効果も期待できます。県内自治体の加入率がトップの香川県は、晴天率の高さに加え、不要になった望遠鏡を集めた博物館などで天文ファンらを引きつけています。環境省は、大気保全活動の普及や自然を生かした地域振興に向けて、1988年に現在の星空の街・あおぞらの街全国協議会を設立しました。

 加入率が5割の香川県は、晴天が多いうえに上空の気流が安定しています。星の光の揺らぎが少なく、望遠鏡で拡大しても星が鮮明に見えるため観測に適した場所が多くなっています。同様の環境にある岡山県も2位でした。関東・山梨でも星空を活用した観光への取り組みが進んでいます。星空観賞に積極的な自治体の割合が全国4位の山梨県では、街の照明を消して星空を眺めるイベントがあります。千葉県や栃木県は海に開けた地形や高い標高を生かし、星空を楽しむグランピングや宿泊ツアーが人気です。

(2024年10月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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