わが国において、有給休暇は勤務先から最高で年20日与えられています。2016年の総合旅行サイトのエクスペディアの国際調査によれば、わが国のビジネスパーソンの取得率は50%にとどまっています。有給休暇に罪悪感を感じる人の割合は59%と、韓国の69%に次ぎ2位です。上司が有給取得に協力的かどうかが分からない人の割合は、32%と1位で、休暇についての職場コミュニケーション不足が浮き彫りになっています。
労働基準法上は、労働者が休みたいと時季を指定すれば、業務に差支えがない限り会社はそれを認めることになっています。しかし、周囲に気兼ねする職場風土や人手不足など有休を取りにくい職場環境があります。こうした職場風土を変えることが働き方改革にも必要となります。有給取得は会社にも利点があります。有休取得促進や裁量労働の導入、時間外労働圧縮を本格的に進めた結果、心理カウンセリングを受けている人の数は、一時の半数以下に減った企業もあります。
(2017年10月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)