有給休暇取得率の増加

企業で働く人の有給休暇の取得率が高まっています。2021年は58.3%と、3年連続で過去最高を更新しています。2019年の労働基準法改正で、企業に対し従業員の有給取得に関する義務が加わったことによります。
労働基準法39条は、企業などの使用者は、6カ月以上勤務した従業員に基本的に10日間の有給休暇を与えなければならないと定めます。有給の日数は、勤続年数によって年20日まで増えます。正社員だけでなくパートタイマーにも、勤続日数に応じて有給が与えられます。いつ有給を取るかは原則的に労働者の自由です。
与えられた有給のうち実際に消化した割合を示す有給取得率は、2000年から17年間にわたり5割を切っていました。2017年頃から大幅に改善しています。2021年は2016年に比べ8.9ポイント上昇し、6割に迫る水準となっています。取得率が改善する一方、企業規模による格差も大きくなっています。
有給休暇は、子育て支援や社員の自己研鑽など人的資本充実に効果的です。国の目標である取得率70%に近づくためにも、労使双方の努力と考え方の変革が必要となります。

(2023年8月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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