新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、東京都や東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)への人口集中が緩和しています。2021年は、転入者数から転出者数を引いた東京都の転入超過が2年連続で大幅に縮小しています。
東京都は昨年1年間で42万167人が転入し、41万4,734人が転出しました。転入超過は5,433人で、2019年の約8万人から大幅減となっています。都心の23区は1万4,828人の転出超過となっています。東京圏の転入超過数は8万1,699人で、大都市圏では突出して多いのですが、この2年で約7万人減っています。
東京都は、全国の大学生の3割弱が集中するため、本社を置く企業も多く、進学や就職・転職に伴う若い世代の転入超過が目立っています。年内別では、15~24歳は2019年には7万1,566人の転入超過でしたが、2020年には6万1,564人に減っています。2021年は6万3,697人と上向きましたが、2019年の水準には戻っていません。
働き盛りの30~39歳は、2019年の3,797人の転入超過が、2020年に1万855人の転出超過になり、2021年には2万人台に拡大しています。リモートワークで働き方の選択肢が生まれ、東京以外で働く人が増えています。コロナ禍から3年目に入り、東京一極集中の緩和が続くのかが注目されます。
(2022年3月12日 読売新聞)
(吉村 やすのり)