新型コロナウイルスによるテレワークの普及で、東京都心のオフィスの空室率が高止まりしています。東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の6月時点の平均空室率は6.39%でした。コロナ流行後から上昇し始め、供給過剰の目安とされる5%以上を17カ月連続で上回っています。大量供給で空室となることを避けるため、賃料を下げてでもテナントを確保しようとする動きもあり、都心5区の1坪あたりの平均賃料は右肩下がりが続いています。
背景にあるのは企業のオフィス離れです。感染拡大防止のため、企業が従業員の出社を減らし、オフィス面積を縮小する動きが見られています。さらに、来年は虎ノ門・麻布台プロジェクトなど、大規模オフィスを備えたビルが相次ぎ竣工を迎えます。供給過剰を加速させることが予想され、業界などでは2023年問題と呼ばれています。
(2022年7月24日 東京新聞)
(吉村 やすのり)