東日本大震災からの復興予算

 3月11日が来ると、東日本大震災後15年が経過したことになります。国が、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故の復興予算に投じた金額は、2024年度までで約32.5兆円になっています。国民1人当たり27万円に相当しています。復興に使うお金は増税や国の借金である復興債などで賄っています。2024年度までの国の決算でまとめると、国の借金は約17.4兆円分増え、増税額は約7.2兆円に達しています。借金は、政府保有株の売却益などで返していきます。

 使い道は、防潮堤や高台移転などの住宅再建・復興まちづくりが約13.5兆円と最多で、産業・なりわいの再生は約4.5兆円です。生活支援などの被災者支援は約2.3兆円と全体の1割弱です。原子力災害からの復興だけは減少幅が小さく、前年より増えた年度もあります。原発事故からの復興の難しさも映し出しています。

 県別では宮城が最多の8兆円余り、福島も8兆円近くで、岩手は約5兆円です。被災地全体で総額10兆円になります。3県と各市町村の使い道は、防潮堤建設や宅地の整備などハード事業が目立ちます。しかし、宮城・岩手両県と福島県では、ハード事業に多くのお金が使われる時期にズレがあります。

 福島はこれまで、両県と比べハード事業の割合が低く、原発事故に伴う避難指示が長引き、まちの再建が遅れました。一方、物件費に区分されるがれき処理や除染など原発事故への支出割合が大きくなっています。

(2026年3月5日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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