非政府組織（NGO）セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの調査によれば、震災6年後も家計が赤字だったのは約6割で、震災前の約3割から倍増していました。被災に伴う失職や自宅再建費の負担増などが原因です。赤字になった理由は、震災と病気を機に夫が無職になり収入が激減、震災医債務に追われ、再建した店も家も売却準備しているなどでした。震災で親が死亡したり、離婚したりして収入が減り、子どもの教育機会を制約しています。
復興庁の発表によれば、年々減少していますが、今もなお避難者は約8万人です。都道府県別では福島が最多で、1万9千人です。小中高校生の転校も1万5千人に達しています。東京電力福島第1原発事故により多数の住民が避難している福島からが3分の2を占めています。今なお多数の人が避難を強いられ、戻りたくても戻れない人もいます。
（2017年11月29日 日本経済新聞）
（吉村 やすのり）
