株主総会での株主提案の増加

 株主総会は、会社の最高意思決定機関と位置づけられ、取締役の選任や配当金の決定といった議案を決議します。議案は会社側だけでなく、株主も提案できます。全体の1%以上、または300個以上の議決権を6カ月以上、継続保有する株主に提案権を認めています。2019年成立の改正会社法では、2021年3月から株主提案が1株主10個までに制限されています。

 三井住友信託銀行によれば、今年6月の総会では、株主提案は114社・399議案と過去最多になっています。個人と表記された提案は25社・61議案あります。4年前は4社・6議案でした。株主は総会の8週間前までに提案する必要があります。

 米国では、株主提案の金銭面のハードルは高くない一方、提案できる範囲は狭くなっています。通常の業務執行の意思決定の範囲とされる提案や、配当額の決定に関する提案などは禁止されています。米国の株主提案決議は、経営陣への勧告の意味合いしかなく、法的拘束力を持ちません。英国やドイツ、フランスは株主提案の要件を株式の5%以上の保有などとしています。

(2025年6月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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