母体安全への提言2024-Ⅰ

妊産婦死亡の年齢分布

 15年間に解析された640例の妊産婦死亡は19-48歳の報告があり、中央値は34歳です。年齢階層によって出生数が異なるため、年齢階層別に妊産婦死亡率を求めると、若年ほど妊産婦死亡率は低く、年齢の上昇とともに死亡率が上昇します。40歳以降では、20代前半と比べると4.7倍に増加しています。

 年齢別の一般女性の死亡率と妊産婦死亡率の1991-1992年と2010-2024年の比較をすると、一般女性全体の死亡率と比べて、妊産婦の死亡率が低いことが分かります。これは Healthy pregnant effect と呼ばれ、健康な女性の方が妊娠しやすいためであると考えられています。また、1991-1992年と2010-2024年を比較すると、1991-1992 年は 40歳以上の妊産婦死亡率が著しく高いのですが、近年は高年齢の妊産婦死亡率が大幅に改善されています。

(母体安全への提言2024 vol.15 令和7年10月)
(吉村 やすのり)

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