妊産婦死亡原因
産科危機的出血が最も多く18%、頭蓋内出血・梗塞が14%、心肺虚脱型羊水塞栓症が11%、自殺が11%、心大血管疾患が9%、感染症が8%、肺血栓塞栓症などの肺疾患が8%です。

妊産婦死亡の死因の分類を年次推移でみると、2010年に約28%であった産科危機的出血の割合が、年々漸減し、2019年には5%にまで減少しています。しかし、2020年より再び産科危機的出血による死亡が増加傾向を示し、2024年には24%になっています。近年の直接産科的死亡の増加の背景には、産科危機的出血の増加が一因となっています。ここ5年は自殺による死亡の割合が上位にあります。その他、心肺虚脱型羊水塞栓症、心大血管疾患、感染症、肺疾患は横ばいで推移しています。
産科危機的出血の再増加の要因としては、癒着胎盤や胎盤早期剥離、周術期管理に関連した出血の増加が考えられています。この10年で子宮型羊水塞栓症の頻度は大きく減少しています。
(母体安全への提言2024 vol.15 令和7年10月)
(吉村 やすのり)







