インフルエンザ
インフルエンザは、主に冬季に流行するインフルエンザウイルスによる感染症で、38度以上の発熱・頭痛・関節痛・筋肉痛などの症状を認めます。確定診断にはウイルス学的検査が必要であり、迅速診断キットによるウイルス抗原の検出が普及しています。患者の多くは、無治療でも1~2週間で自然治癒しますが、5歳未満の乳幼児・65歳以上の高齢者・慢性呼吸器疾患などの基礎疾患のある人の場合には、気管支炎・肺炎などを併発し、死に至ることもあります。妊婦もインフルエンザに罹患すると重篤な合併症を起こしやすいとされています。妊婦がインフルエンザ流行中に心肺機能が悪化し入院する相対的リスクは、産後と比較して妊娠14~20週で1.4倍、妊娠27~31週で2.6倍、妊娠37~42週で4.7倍であり、妊娠週数とともに増加するとの報告もあります。