母子感染症シリ－ズ―Ⅷ

水痘

　水疱帯状疱疹ウイルス（VZV）は、経胎盤的に胎児に移行し、その時期により種々の影響がでます。母体水痘罹患の児への影響は、妊娠20週以降の罹患では2％に四肢低形成、四肢皮膚瘢痕、眼球異常などが出現すると考えられています。水痘感染症としては発熱、発疹（紅斑・丘疹・水泡・膿疱・痂皮が混在）が特徴的であり、臨床像から診断可能です。ウイルス学的には、血清VZV-lgMの検出、血清抗体価の上昇、VZV抗原の検出、水疱からのウイルス分離などにより確定できます。

（吉村　やすのり）