オンラインで民事訴訟の手続きを進めるウェブ会議の導入が、全国の50地裁で広がっています。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に利用が急増しています。ウェブ会議は、現在非公開の争点整理が対象で、裁判所と弁護士事務所などをビデオ会議システムでつなぎます。
訴訟の当事者側にとっては、裁判所への移動時間や交通費がかからない利点があります。画面越しに裁判官のしぐさ、表情を読み取れ、和解を前提としたやりとりなど機微に触れる場面でも対面と遜色ないとされています。訴訟だけでなく、労働審判制度にも導入されています。新型コロナの影響で、解雇や雇い止めなど労働分野の争いは、今後増えるのが確実で、ウェブ会議が手続きの迅速化に役立つと期待されています。
ウェブ会議は、今後地裁の各支部や高裁でも導入される見通しです。オンライン化が進むと、離島など裁判所から遠く離れた地域でも、司法手続きを利用しやすくなります。
(2020年12月20日 読売新聞)
(吉村 やすのり)