厚生労働省の報告によれば、民間企業で働く障害者は昨年6月時点で57.8万人と、17年連続で増えています。障害者雇用促進法に基づく民間企業の法定雇用率は、今年3月に2.2%から2.3%に引き上げられました。以前は従業員45.5人以上(短時間の働き手を0.5人と換算)の企業が達成を義務付けられていましたが、43.5人以上に対象が広がりました。
法定雇用率が達成できない企業は、納付金を払い、雇い入れ計画を作って実施することを求められます。それでも達成できなければ、最終的には企業名を公表されることがあります。しかし、昨年6月時点で法定雇用率の2.2%を達成した企業は48.6%で、全体の半分に満たない状況です。実雇用率は、従業員1千人以上が2.36%だったのに対し、45.5人~100人未満は1.74%にとどまっています。企業規模が小さいほど、割合が低い傾向がみられます。
障害者の働き手の内訳をみると、身体障害が最も多く35万6千人、知的障害が13万4千人、精神障害が8万8千人と続いています。精神障害の増加ペースが緩やかなことも課題になっています。また、特例子会社に障害者をまとめて雇い入れて、グループ全体の雇用率に参入できる認定を受けた企業は542社あり、前年より25社増えています。特例子会社では約3万9千人の障害者が働いています。
(2021年4月26日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)