国連の気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)では、地球温暖化による自然災害は世界中で頻発しており、災害に弱い途上国に先進国が支出する気候資金を巡って議論がなされます。事前交渉の現場では、支出増を求める途上国と負担増を避けたい先進国の間でせめぎ合いが始まっています。
2009年のCOP15では、先進国が途上国に災害対策などに必要な資金を援助することで合意しています。2020年までに年間1,000億ドルの拠出を目指しましたが、目標に届いたのは2022年でした。途上国にとって、化石燃料を大量使用してきたのに援助に消極的な先進国への不信感は根強いものがあります。
日本や欧米各国は、世界第2位の経済大国で世界最大の排出国にもかかわらず、気候資金を拠出しない中国に協力を求める考えです。EUは1990年代初頭から経済力や排出量が拡大したことを反映し、より幅広い国が貢献すべきだとし、中国の資金拠出を求めています。
(2024年11月6日 読売新聞)
(吉村 やすのり)