水痘(水ぼうそう)の患者が大きく減ってきています。国立感染症研究所の調査によれば、2016年の患者数は5年前の3分の1以下に減少し、特に1~4歳の子どもの患者が減りました。2014年10月から定期接種になって原則無料で受けられるようになった予防ワクチンの効果とみられます。まさしくワクチンの定期接種の福音です。
国立感染症研究所によると、2011年の全国約3千の小児科にかかった水痘患者数は23万8,645人でした。ワクチンが定期接種となった後の2015年は7万7,614人、2016年には6万5353人に減少しました。2011年に患者全体の7割を占めていた1~4歳の幼児が、2016年には4割まで減っていました。わが国のワクチンアレルギーには根深いものがあります。ワクチン研究に、こうした科学的エビデンスの蓄積が大切です。一日も早い子宮頸がんワクチンの定期接種が開始されることを願っています。
(2017年12月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)