海外における後発薬の使用頻度

 財務省のまとめでは、後発薬の普及率が米国は90%、ドイツは82%、フランスは70%であり、いずれも日本よりも高い値を示しています。欧米各国は、後発薬の使用を国民に促す価格制度を導入し、普及を進めています。フランスやドイツでは、特許が切れた新薬を使う場合に、後発品の価格との差額を患者が負担する制度が導入されています。参照価格制度と呼ばれ、これにより患者が負担増を避けて後発品を選ぶようになります。
 フランスでは、抗生剤や抗うつ薬など種類ごとに普及率の目標を定め、達成した医師に報酬が出る仕組みが導入されています。目標を細かく定めることで普及の促進につなげています。民間保険が主流の米国では、各社が保険適用の範囲を決めており、患者が新薬を希望しても保険がきかないことがあります。しかしこのまま後発薬普及が進めば、新薬メ-カ-の撤退が起こる可能性があります。

(2015年7月19日 讀賣新聞)
(吉村 やすのり)

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