海外においては、氏名は人格の象徴であると考え方が強いとされています。日本のように結婚すると同姓を名乗る国はありません。中国や韓国のように夫婦別姓を原則とする国もあるが、タイのように同姓にするか、別姓にするかを選べるようにしている国が多いとされます。ノルウェ-やデンマ-クでは、佐藤―田中のように両方の姓を合わせた結合姓も可能となっています。フランスやスペインのように、姓をどうするかについて法律で明文化していない国もあります。英国や米国では本人の自由意思によるとされ、姓を変えても自分の姓を使い続けてもいいとされています。
夫婦で別姓である場合、スイスでは日本の法改正案と同様に、結婚時に子の姓を選んでおくとしています。ドイツは出生児に姓を選びますが決められない時は裁判所が、父母のどちらかに決定権を与えるとされています。一方、イタリアやベルギ-、トルコ、韓国では、子は父親の姓を受け継ぐのが基本です。
(2015年12月3日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)