わが国においては、公的な健康保険と未承認の薬剤や医療技術を使う自費診療を併用する混合診療は原則禁止されている。一部に保険外診療を使えば、すべての医療費が自費となってしまう。政府は混合診療をできる仕組みを考えており、拡大する方針を決定している。厚生労働省や日本医師会は、安全性や有効性が保てないとして反対している。
実施できる医療機関は一つの技術で10カ所程度と少ないことが問題である。またこれまで臨床研究で実績のある15カ所の中核病院とその連携先も含め百数十カ所程度であり、患者のニーズに十分に対応できないことが今後の課題である。
(2014年5月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)