米政府が主催する気候変動に関する首脳会議(サミット)が、4月22日にオンラインで開幕され、主要国は2030年に向けた温暖化ガスの排出削減目標を相次ぎ打ち出しました。日本は2013年度比で46%減、米国は2005年比50~52%減らすと表明しています。各国は新たな削減目標を国際連合に提出し、国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)で進捗状況を点検することになります。
日米英や欧州連合(EU)は2050年までに、中国は2060年までに、それぞれ温暖化ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルを目指すと表明しています。2030年の排出削減目標は50年実質ゼロの中間目標となります。
日本は、夏までに新たなエネルギー基本計画を取りまとめることになっていますが、再生エネルギーの大量導入は一筋縄ではいきません。洋上風力発電は、導入の本格化が2030年代以降と見込まれており、早期拡大が可能な太陽光発電も適地が多くありません。気候変動対策を経済成長や雇用創出につなげる道筋を描けなければ、産業界の理解は得られにくい状況にあります。
(2021年4月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)