災害への備えの必要性

 日本の災害への備えは十分ではありません。再保険大手のスイス再保険によれば、1月に能登半島での大地震があった2024年に保険で補償できた経済損失は27%にとどまっています。米国の54%や英国の71%といった主要国より補償範囲が狭く、被災地の経済復旧の妨げとなっています。日本の損害保険の普及率も低く、スイス再保険によれば、GDPに対する損害保険料の割合は2024年時点で2.0%と主要国を大きく下回っています。

 国土交通省によれば、日本の災害は増加傾向にあります。日本は2000~2025年に28回の地震があり、米国の10回の3倍です。台風も69回と他の主要先進国より多くなっています。地球温暖化を背景に災害被害の激甚化・頻発化の傾向は続きそうです。

 欧米では、株主が企業に災害時の事業継続への備えの説明を求める傾向が強く、災害時の利益減少に保険などで備えることが当たり前となっています。洪水や山火事の広がり方をAIなどを使ってシミュレーションすることで被害額を推計し、早期支払いにつなげるといった保険を提供しています。

(2025年12月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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