無痛分娩の増加

 近年無痛分娩を希望する妊婦が急増しています。日本産婦人科医会が調査した総分娩数に占める無痛分娩数の割合の年次推移においては、2018年報告では無痛分娩は5.2%だったのに対し、2025年報告では16.2%になっており、実に6年間で約3倍に増加しています。

 無痛分娩を対応する産科施設(病院)の分娩数は、2018年度の20万件から2025年の24万件に増加しています。少子化で日本全体の分娩数が減っているにもかかわらず、増加しています。一方で、無痛分娩に対応していない産科施設での分娩数は、29万件から13万件と急激に減少しています。東京を始めとする人口の多い大都市圏では、無痛分娩割合が相対的に高くなっています。

 計画無痛分娩よりもオンデマンド無痛分娩を行っている産科施設のほうが選ばれる傾向にあります。計画無痛分娩は、予め決めた出産予定日に陣痛を誘発して分娩を開始するスタイルです。こちらは予定よりも早く陣痛が早まって早朝や夜間、休日の分娩となった場合、麻酔科医の不在などで無痛分娩に対応できないことがあります。

 オンデマンド無痛分娩は、妊産婦が産気づいた時に入院を受け入れ、24時間365日体制で無痛分娩に対応します。この診療体制がとれるのは無痛分娩を行う産科施設全体の3分の1程度ですが、妊産婦の支持は高く、こうした産科施設では分娩件数が増えています。

(月刊母子保健 第803号 令和8年3月1日)
(吉村 やすのり)

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