熱中症保険の登場

猛暑に加えて新型コロナ禍によるマスク生活で熱中症のリスクが高まる中、熱中症による入院や点滴治療費などを補償する保険商品が相次いで登場しています。熱中症に特化した熱中症お見舞い金保険は、住友生命の子会社のアイアル少額短期保険です。1日100円から加入できる期間選択型と、月額型の保険料200円があります。損害保険ジャパンも、個人向け傷害保険で熱中症による死亡や入院、通院の時に保険金を受け取れる特約の申し込みを受け付け始めています。三井住友海上火災保険でも、昨年から個人向け傷害保険に熱中症特約を用意してます。
消防庁によれば、2015~2017年の6~9月に熱中症で搬送された人は4万~5万人台でしたが、夏の気温上昇の影響もあり、2018年は9万人台、2019~2020年には6万人台と高い水準が続いています。さらにコロナ禍でマスク生活が続きます。高温や多湿な環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなる恐れがあります。気象庁の予報では、7~9月は平年より高い気温が見込まれており、熱中症患者が増える可能性があります。想定以上に増えれば、保険会社の収支が悪化しかねません。
新型コロナに感染した際に保険金を受け取れるコロナ保険では、加入者の増加と想定以上の感染拡大を受け、販売停止や保険料の値上げが相次いでいます。コロナの場合はどれだけ感染拡大するか不透明でしたが、熱中症は毎年の気温の推移などのデータで患者数などもある程度予測でき、コロナ保険ほどのリスクはないとしています。

 

(2022年7月19日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。