熱中症は、暑さと水や塩分の補給に気を付ければ、なくせる病気です。昨夏は、全国で約29万人が熱中症で医療機関を受診しています。患者数に影響するのは、その夏の暑さが大きく影響します。7月8月は暑さを避ける生活スタイルに変える発想の転換が必要です。特に35℃を超える日や熱帯夜が続くと、脱水や低栄養状態が進み、特に高齢者は持病が悪化したり、感染症にかかったりするので注意しなければなりません。高齢者は気温や体温の変化を体で感じづらくなることが影響しています。
暑さへの対策としては、外出時にぬれタオルを持ち歩いたり、自宅なら植物のカ-テンやすだれで日差しを遮ったりする方法があります。赤黄青の色調などで危険性が一目でわかる熱中症計や、環境省のサイトで発表された熱中症の危険度が分かる暑さ指数も参考になります。水分では、大人なら3度の食事で約1リットルの水分を摂取しており、ほかに1日約1.2リットルが必要になります。入浴前後や就寝前など、のどが渇いていなくても飲む習慣をつけることが大切です。
(2015年7月15日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)