牛乳アレルギーの治療研究

食物アレルギーは、1歳未満の乳児の約10%、1~6歳や小学校以降の子どもの5%程度に発症します。成人を含む全年齢での発症率は推計約1~2%です。消費者庁が2016年に公表した調査結果によれば、原因食物別に見ると牛乳は鶏卵に次いで多くなっています。子どもに多い牛乳アレルギーに対し、国立成育医療研究センターは治療法の確立に向けた臨床研究を始めています。ごく少量の牛乳を取り続けて耐性をつける経口免疫療法に加え、他のアレルギーで抑制効果があったとされる乳酸菌も併用し、治療に役立つかを確かめています。
アレルギー治療では、原因となる食物を少しずつ摂取して耐性をつける経口免疫療法の研究が進んでいます。乳児に少量のゆで卵の粉末を約半年間食べ続けてもらう研究を行い、約8割で卵アレルギーの発症を予防できたとする結果を公表しています。また、従来の研究によれば、腸内にいる乳酸菌が免疫の過剰な働きを抑え、花粉症などの発症を防ぐ効果があると考えられています。

(2018年10月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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