文部科学省の初めての特別支援学級の実態調査によれば、特別支援学級で学ぶ知的障害や情緒障害などのある小中学生の5割ほどが、授業の半分以上を通常学級で受けていることが分かりました。文部科学省は、各教育委員会に対し、障害の特性や心身の発達に応じた指導を十分に受けていない事例があるとして、特別支援学級で週の半分以上を目安に授業を行うよう求める通知を出しました。
調査の結果、特別支援学級に在籍する児童生徒で、総授業時数の半分以上を通常学級で過ごしていた子どもの割合は、小学校で54%、中学校で49%でした。学年別では、小1~2年では19~20%ですが、小3以上になると67~72%と増えます。中1~3は46~51%でした。
特別支援学級は、小中学校の8割以上に設置されています。在籍人数は昨年度、10年前の2.1倍に増え、約32万6,500人に達しています。障害の有無にかかわらず、共に学ぶインクルーシブ教育の重要性を指摘しつつ、障害のない子どもとの交流にのみ重点を置いて、通常学級で授業を受けさせることは適切ではないと指摘しています。一人一人の教育的ニーズに最も的確に応える指導を行うよう求めています。
(2022年5月3日 読売新聞)
(吉村 やすのり)