理学療法士と作業療法士は、リハビリを担当する専門職です。理学療法士は、歩く、動く、座るなど基本動作機能の回復や維持のための訓練をします。作業療法士は、基本動作機能が回復した患者に食事や排せつ、入浴など日常生活に必要な動作の訓練をします。それぞれ医師の指示の下で、具体的なプログラムを作って実施しています。両資格の従事者数は年々増えており、2014年10月時点で理学療法士は2002年比約3倍の約10万5千人に増加しています。作業療法士も2002年比約3倍の約5万8千人になっています。
厚生労働省は、大学・専門学校での両療法士の養成課程を見直すことにしています。医師や看護師と連携するチーム医療や高齢化の進展による在宅医療の増加に対応するのが狙いです。現行の課程に加え、新たにCTやレントゲンなどの画像から骨や腱の状態を分析する方法や、たんの吸引方法を学ぶ授業を必修化します。たんの吸引は医療行為に当たり、現在は一定の研修を終了しないとできません。養成課程に組み込むことにより、学校を卒業してすぐに現場で実践できるようになります。
(2018年8月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)