生成AIを活用した大学教育

 大学が生成AIの活用を急速に広げています。従来は主に学生がリポート作成に利用する例が多かったのですが、学生の履修科目の選択から試験の評価に至る学びの活動全般に生成AIが浸透しています。

 生成AIの普及が大学教育の在り方を問い直しています。学ぶ内容の選択、授業の予習や復習、試験での学びの評価といった学習の一連の工程が、生成AIによって効率化されつつあります。生成AIの使い方次第で、学生は自主的な学習がしやすくなり、教員にとっても負担を軽減できることになります。

 しかし、学生がリポートを作成する際に、生成AIの回答をそのまま使うような例も散見されており、現場の教員は対応の必要性を強く感じています。生成AIには新たな機能がすぐに搭載されますが、学生の中には即座に使いこなす者もいるため、大学としてもその都度何らかの対応を迫られることになります。

 生成AIを教育現場で上手に活用するには、大学側が技術に対する解像度を高め、それを常に更新していくことが大切です。従来の講義形式などにこだわらず、生成AI時代の新たな指導法のひな型をつくる作業も必要になります。

(2025年8月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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