生殖補助医療に関する民法特例法案が規定する親子関係

第三者から卵子や精子の提供を受ける生殖補助医療で生まれた子に関し、親子関係を明確にする民法の特例法案が、今国会で成立する見通しです。現在は、法律的には訴訟を起こさないと親子関係を確定できない状況にあります。長年、法整備の必要性が叫ばれながら、停滞していた問題は前進することになります。
解決に向けた議論は、1998年に旧厚生省で議論が始まり、厚生労働省や法務省の審議会が親子関係の明確化、出自を知る権利の明記などを打ち出してきました。今回の法案には出自を知る権利だけでなく、課題とされる卵子・精子の売買や代理出産の規制などは盛り込まれませんでした。出自を知る権利の場合、提供者情報をどこまで開示するのか、どの組織が情報を管理するのかなどが、今後の論点となります。

(2020年12月2日 東京新聞)
(吉村 やすのり)

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