国内の生活習慣病の患者は増加傾向にあります。厚生労働省によると、2014年の糖尿病患者数は90年比で約2倍、高血圧疾患は約7割増えています。これまで生活習慣病である人が保険に加入する場合、保険の申し込み時点で高血圧や糖尿病など健康リスクの高い人は加入を認めていませんでした。しかし、医療技術の向上や健康改善の努力によって、指標が多少悪くても健康で長生きできることが分かってきました。
生命保険業界で、医療ビックデータを活用する動きが広がってきています。膨大なデータをAIで解析し、将来の病気や死亡のリスク予測をし直し、多くの生活習慣病患者らが治癒の可能性があるなどとみなされれば、保険加入できるようになります。加入基準の緩和や健康改善サービスの拡充は、患者数増加に対応する効果もあります。
(2018年2月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)