50歳時点で子どもがいない女性の割合を指す生涯無子率をみると、他の先進国に比べて日本の高さが際立っています。OECDによれば、2020年に50歳を迎えた日本女性の27%が該当します。スウェーデンの12.2%、米国の11.9%を大きく上回り、2番目に高いフィンランドでも20.7%でした。
国立社会保障・人口問題研究所は、4月に公表した将来推計人口で、2055年に50歳となる2005年生まれの女性では、この割合が33.4%になると予測しています。3人に1人の女性が子を持たない計算です。近年の婚姻数の減少傾向や出産意欲の低下を踏まえると、生涯無子の人数はさらに上振れする可能性があります。
内閣府の少子化社会に関する国際意識調査によれば、自国は子どもを産み育てやすい国かという問いに、そう思うと答えたのは日本が38.3%です。フランスやドイツのおよそ80%、スウェーデンの97%と比べて低さが目立ちます。
(2023年7月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)