生理の貧困に対する支援の輪

新型コロナウイルス禍で、生理用品を買う経済的余裕がない生理の貧困が問題となってきています。大学生らによる任意団体である#みんなの生理の調査によれば、高校生・大学生らの約5人に1人(19.7%)が、何かを我慢して代わりに生理用品を購入するなど生理用品を買うのに苦労した経験があると答えています。経済的な理由で、友達から生理用品を譲ってもらったことがあるとの回答も目立っています。
こうした生理の貧困に対して、民間施設や自治体が生理用品を無償提供する動きが広がってきています。生理の貧困への取り組みを実施している自治体は、581団体にも及びます。コロナ禍で実自治体は急増し、実施割合が最も高かったのは79%の広島県で、東京都の76%、神奈川県の74%、埼玉県の72%と続いています。
これまで生理の貧困は、切実なのになかなか語られてきませんでした。リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)にも関わる問題で、貧困だけではなく、健康の観点からも持続的なサポートが必要となります。

(2021年11月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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