内閣府の計画実行・監視専門調査会の資料によれば、同じ大卒正社員でも年収に男女格差があり、年齢が上がるにつれて差が広がるとのデータが示されています。大学・大学院卒正社員の生涯賃金は、男性が2億6,920万円に対し、女性は2億1,670万円で、5,250万円の差があります。格差の要因で最も大きいのは役職の違い、次いで勤続年数の違いです。
男女の賃金格差は先進国共通の課題です。男性の賃金を100とした場合の女性の賃金は、OECDの平均で88.4です。日本は77.5とさらに低くなっています。
格差解消に向け、各国は賃金透明化ツールの義務化を進めています。英国では2017年以降、従業員250人以上の雇用主は、男女別の賃金およびボーナスの平均値と中央値を査定し、賃金格差を毎年公表しなければなりません。フランスなど9カ国は、賃金格差の原因分析や行動計画の策定を求める同一賃金監査制度を導入しています。
(2022年4月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)