男性のプレコンセプションケア

 将来の妊娠を見据えて性や妊娠に関する知識を身につけるプレコンセプションケアが、男性にも広がってきています。不妊のうち半分は男性側にも原因があることが分かっていますが、知識不足から男性が不妊リスクを高める生活をしてしまったり、治療が遅れたりすることが多くなっています。生活習慣が不妊に影響することの啓発や精子検査などを提供する自治体や企業も増えてきています。

 不妊を防ぐには妊娠前から男性も十分な知識をつけて、生活習慣を整える必要があります。パートナーの妊娠を望むのにかなわない場合には、男性も泌尿器科で診察と超音波検査を受けることをお勧めします。しかし、日本の不妊治療は婦人科主導であることが多く、男性側の検査が手薄になりがちです。不妊の検査は男性の方が簡便なので、まず男性が自ら積極的に検査を受けるべきです。

 プレコンセプションケアは、2006年に米疾病対策センターが提唱し、2012年にWHOが本格的に推奨した概念です。妊娠前の男女に、性や妊娠に関する正しい知識をつけ、妊娠時期などのライフプランも考えた上で健康管理をすることを促しています。日本では2021年に閣議決定した成育医療等基本方針で言及されました。しかし、妊娠するのは女性という意識から男性向けのプレコンセプションケアは遅れてきました。こども家庭庁のプレコンセプションケア推進5か年計画では、重点的項目の1つに妊娠は女性だけの問題ではなく、男性も主体的に関わるべきものであることについても周知すると盛り込まれています。

(2025年12月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です