男性不妊の検査の必要性

日本産科婦人科学会によれば、2016年の治療件数は45万件弱と10年前の3.2倍に増えています。しかし、体外受精などの処置には健康保険は適用されません。1回の治療は30万~40万円で、1児あたり平均200万円の費用がかかっています。費用がかさむ要因の一つは、男性側に原因があると気づかずに、女性だけが治療を続けるケースも関係しています。女性の不妊治療の件数は横ばいですが、男性の治療は増えています。
不妊治療に男性因子が関与するケースが増えてきています。世界保健機関(WHO)の報告によると、不妊の原因の半数近くは男性にあるとされています。男性側からも不妊の原因を探ることで、不妊治療にかかる費用や時間を抑えられるとの認識が広がっており、治療を助けるための男性向け検査やサービスも充実してきています。2017年のWHOの報告では、不妊のうち男性に原因があるのは24%、男女両方にあるのは24%、合計で48%は男性に原因があるとしています。早期に男性側の原因を特定し治療や改善を進めれば、治療にかかる費用も低減できます。しかし、男性が不妊外来を受診するケースは少ないことが問題です。
不妊治療を始める際には、男性の精液検査をすることが必須です。女性の検査は痛みを伴う検査も多いのですが、最近では、自分のスマートフォンで、精子の数や運動性を調べることができるようになっています。

(20119年4月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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