男性保育士とは、児童の保育に従事する保育所などの男性職員をいいます。1948年に保育士の前身となる保母の資格が定められ、1977年から男性の取得が認められるようになりました。当初は通称として保父と呼ばれていましたが、1999年に性別に関係ない保育士として名称が統一されました。男性保育士は増えてきています。厚生労働省によると、現在、男性保育士は6万3,837人が登録しており、2006年に比べ3倍以上に増えています。しかし、男性の割合は4.61%に過ぎません。
最近、男性保育士が女児の着替えやおむつ替えを行うことに、保護者から抵抗があるとの声が寄せられています。男性保育士が少なく、仕事の役割などが社会的に認知されていないことが背景にあります。保育士は女性の仕事と見られ、専門性を持った仕事ととらえられてこなかったことにもよります。乳幼児期は、人間としての土台や人間に対する信頼感が醸成される大切な時期であり、男女の保育士がいるのが自然です。保育士不足は待機児童と表裏一体の問題で、性別にかかわらず、保育士の活躍が期待されます。
(2017年2月8日 読売新聞)
(吉村 やすのり)