男性育休取得率の増加の意義

 厚生労働省によれば、男性の育休取得率は2024年度に40.5%と2022年度の17.1%から急増しています。積水ハウスの男性育休白書2025によれば、2025年の平均取得日数は21.5日で、前年より4割短くなっています。2023年4月から一定規模の企業は取得率の公表が義務となり、少ない日数でも取得させたい企業の姿勢が反映されています。

 育休を取る男性が初めて4割台となる一方で、キャリア形成への不安が課題となっています。マイナビ転職の調査によれば、男性が育休を取る際の不安は、収入減少が35%と最多で、周りへの申し訳なさが19%などが続きます。しかし、仕事の空白期間ができることが17%、将来のキャリアへの影響が15%という答えも多く、この10年ほどで取得率が急上昇したため、周囲にロールモデルとなる人が少ないことも一因となっています。

 仕事から離れる育休は自分を客観視する機会になり、やりたいことや今後の働き方を検討できる良い機会です。時間の制約による働き方の効率化と相まって、キャリアを自律的に考える傾向が強まります。働く人は、育児だけでなく通院や介護など様々な事情があります。男性の育休取得を推進することは働きやすい職場づくりにつながります。

(2025年10月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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