米国や英国の有力大学では、留学生の学費は国内学生より高額です。英国のケンブリッジ大は、国内学生の年9,535ポンド(約200万円)に対し、留学生は2万7,024~7万554ポンド(約560万~約1,470万円)です。OECDの資料によれば、18カ国の国公立大の学費で差が無いのは、日本、イタリア、ドイツ、ノルウェー、スペインだけです。その他の国では、留学生は2~16倍高くなっています。物価水準を考慮してドル換算した金額でみると、フランスが最大の16倍、価格差はカナダが最大で5.5倍でした。
国立大でも、留学生の授業料値上げに動き出す大学が相次いでいます。留学生は、言語や生活習慣の違いなどから特別な配慮が要る場合が多く、大学側の人件費などがかさみます。文部科学省も、コストをかけなければより良い学びの質は担保できないと、留学生の授業料引き上げを必須条件とはしないものの大学側に強く促しています。
授業料は、国立大は文部科学省令で標準額が決まっており、年53万5,800円です。その1.2倍(64万2,960円)を上限に各大学が決められることになっています。2024年の省令改正で留学生のみ上限が外されました。

(2025年12月12日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)





