子どもは幼少期にさまざまな病気に患る。通常の保育所では病児を面倒みることはできず、親には看病のために仕事を休まざるを得ない。子育て世代の親が安心して働くことができるためには、病児保育のシステム作りが急務である。都内にも病児保育を行っている施設があるが、月あたりの保育料が20万円前後する施設もある。もう少し金額の低い施設もあるが、病児の数には季節の変動があることや看護師などの医療スタッフの確保など、経営を成り立たせるのが困難であることが多い。
子どもが急病になった時、医療スタッフが家庭訪問をし、世話をしてくれるという今回のシステムは、働く親にとっては大きな福音となるであろう。しかも親同士で支え合う共済型であり、かつ利用しなければ会費の一部が返還される保険のような制度も魅力的である。後はこのシステムで、病児に対して十分でかつ適格なケアができるかどうかが問われる。
(2014年1月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)