東京都は病気の子どもを預かる病児保育施設を拡充します。駒込病院や小児総合医療センターなど都立4病院で2019年度以降に順次開設します。病児保育とは、風邪などの病気になった子どもを病院や保育所で一時的に預かる仕組みです。病気からの回復期で、保育所の登園許可基準に満たない子どもを預かる病後児保育もあります。共働き世帯の増加に伴う保育需要の拡大により、病児対応のニーズも高まっています。民間では採算を取りにくい病児保育施設を整備し、子育てしやすい環境をつくることにしています。
都内の病児・病後児保育施設は2018年3月時点で、民間を含め144施設に上り、この10年で2倍に増えています。しかし、保育需要が伸びている現状では十分とは言えません。施設の半分は民間の医療法人などが運営しています。しかし、季節や日によって利用頻度にムラがあり、また子どもの病状回復などによるキャンセルも多く、採算を取りにくくなっています。都は保育所の整備と並行し、病児保育の受け皿づくりにも力を入れています。
(2018年3月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)