発達障害の初診待機日数

発達障害は脳の機能障害により、行動や言語表現、社会的関係を築く上で困難を抱える状態です。具体的には自閉症スペクトラムやADHD(注意欠陥多動性障害)などの形で表れます。早期に診断を受けた上で、障害の特性に応じた支援を受けることが重要ですが、医療機関での初診までに長期間待たされる事例が相次ぎ発生しています。発達障害の疑いがある子どもを持つ保護者からは、改善を求める声が上がっていました。
厚生労働省は、早期の診断ができるようにするため、2018年度から都道府県や政令指定都市ごとに発達障害を診断できる医師の養成を開始しています。専門的な医師がいる医療機関で、地域のかかりつけ医を集めて研修を実施し、発達障害の知識や診断法を身に付けてもらっています。また2019年度から診断体制の見直しにも乗り出します。現在は発達障害を診断する医師がいる医療機関が、診察に加えて保護者への聞き取りなど事前調査と保護者のカウンセリングも担い、業務が集中しています。事前調査やカウンセリングを外部に委託する仕組みを導入し、医療機関が診察に集中できるようにします。

(2018年12月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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